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ステップ7 : タイ・連符・シンコペーション

タイ

タイとは、2つ以上の同じ音の音符を連結させ、1つの音符の様に演奏するように指示する記号です。小節線やイマジナリーバーラインをまたいで音を伸ばしたいときに用います。

書き方は下の画像のようになります。

この画像の場合、2拍目に鳴らした(ラ)の音を3拍目も伸ばし続けることになります。
2拍目に2分音符があるのと同じ事ですね。しかし、2拍目に2分音符をかくとイマジナリーバーラインのルールに反し、見難い楽譜になってしまうので、この上の画像の様にタイを使って2分音符分の音の長さを表現するわけです。
(本当はこの場合に限ってはタイを持ちいらず、2拍目に2分音符を書かなければなりません。理由はこのページの後半で分かります。)

続いてこちらの画像もご覧下さい。

こちらの場合、1小節目の4拍目でならした(ラ)の音を2小節目もずっと伸ばし続けることになります。

このように、小節をまたいで音を伸ばし続けることを示すことが出来るので、音が出続ける楽器の場合、次の画像のような事ができます。

あくまでも『音が出続ける楽器』に限った話なので、トランペットやトロンボーンなどでは奏者の息継ぎが必要なため、永久に音を伸ばし続けることは出来ません。特にDTMで作曲をする場合は物理的に不可能なことはしないように注意が必要です。

例えばメロディをフルートに演奏させ、音が動いていてタイは使っておらず、1つの音が伸び続けている訳ではなくても、休符が無ければ奏者は息継ぎをする事ができないので同じ事が言えます。きちんと楽器の特性に合わせ、実際に演奏することが出来る曲をつくるように気をつけましょう。

DTMでの作曲が多くなった今、プロが作ったであろうアニメのBGMなどさえ、この様な間違いを犯した曲を良く見かけます。(※DTMとはデスクトップミュージックの略称で、PCを使って音を鳴らさせ作曲することを言います。)


連符

ステップ4で紹介した音符の他に、少し特殊な連符というものがあります。

連符とは4分音符などの偶数拍を奇数に分割したものや、
付点4分音符などの奇数拍を偶数または奇数に分割したものを指します。
書き方は次のようになります。

 

例として4分音符を参考にすると下の画像のように

4分の4拍子で4分音符4つの場合(タン、タン、タン、タン)ですが
一拍目が3連符の場合(タタタ、タン、タン、タン)の様になります。


シンコペーション

ステップ6で紹介した記譜のルール、イマジナリーバーラインに影響されない例外としてシンコペーションというものがあります。

シンコペーションとは一種の”技”みたいなもので、例えるなら、かめはめ波!や昇竜拳!の様なものです。つまりそれはシンコペーション!として完成した技なので譜面におこす時は決まった1つの書き方があり、下手に手出ししないでね。といった感じです。

シンコペーション

上の画像の1~2拍目がシンコペーションです。(タタータ・タン・タン)
(タタータ)の部分がシンコペーションになります。

仮に、タイで書くのであれば下の画像の様になりますが、

こうは書きません。なぜならシンコペーションという技だからです。

演奏者はこのシンコペーションを知っているので、この形の音符の並びがきたら『シンコペーション(タタータ)だな』と、すぐに分かり、パっと見ただけでリズムが分かる事になります。すなわち、その方が見やすい楽譜になるのです。

今回は【(8分音符)(4分音符)(8分音符)】のシンコーペーションですが、(タタータ)のリズムであればシンコペーションですので、【(4分音符)(2分音符)(4分音符)】でも【(16分音符)(8分音符)(16分音符)】でもシンコーペーション。

同じようにタイを用いらずに書きます。よって、このページの最初のタイの画像は本当は間違いです。シンコペーションなので【(4分音符)(2分音符)(4分音符)】の様に書くのが正解です。

但し、次の画像のようにシンコペーションの音符を改変する事のない場合は、タイを用いることができます。理由は、見やすいからです。”見やすい”は記譜の基本ですね。