初心者でも大丈夫?

初心者でも大丈夫ですか?という方をしばしば見かけます。

結論を言うと、音楽理論を知らなければ初心者でも初心者でなくても全く同じです。

むしろ、初心者だから良いとさえ言えるかも知れません。

音楽をするに当たって最も厄介なのは”クセ”なのです。にわかにちょこちょこっとまばらに知識がついている方は、”これはこうだ”という固定観念をもってしまっていることがあり、理解度がそこで止まってしまうことがあります。

0から1を理解することと、?から1を理解することは到達までの距離が違うのです。

?から1を理解することの方が近い場合もあるので必ずしも初心者は得だ。ということは言えませんが、0から1になる人の距離はみんな同じなので、このくらい勉強、練習すれば理解できる。出来るようになる。という距離が分かりやすいという事は断言できます。

要は初心者の場合『何を理解していて、何を理解していないのか』を把握しやすいのでその点に関しては優位と言うことが出来ると考えています。

私自身の経験を言うと、15歳から楽器(エレクトリックベース)を独学ではじめ、同年にハイスタンダード、グリーンデイ、オフスプリングなどのメロコアやパンクロックなどのバンド演奏をいわゆる耳コピで演奏するようになり、17~18歳の間はレッドホットチリペッパーズにはまりずっとそればっかりを演奏していました。

全て耳コピで演奏しているだけで何も分かっておらず、ただ覚えて、ただ演奏しているだけの”見せ掛けカッコツケマン”状態でした。

高校を卒業し、音楽専門学校に通いそこではじめて音楽理論に出会うことになるのですが、学習するまで楽譜にト音記号はおろか、ドの音すら書くことすらできず、恐ろしいまでに自分の何もできない感を味わうことになります。

必死に勉強し、音楽理論を知ることの楽しさに気がつきフュージョン、ジャズといったジャンルに移っていくのですが、これのせいで今でもひぃひぃ言ってます…(笑)

ジャズのアドリブなんて特に、何も分からない人からするとただ好き勝手演奏している風に見えますよね?

でも実際は決められたルールの上で遊んでいるんです。ルールを外れた演奏をする場合は、そのルールを外れる為のルールも存在します。

ドレミすら書くことが出来なかった私が18歳から音楽理論を勉強し、曲を作ることが出来るようになることができたと言う経験があるからこそ、初心者でも大丈夫と自信を持って言うことができます。

実際、その学校で出会った仲間に何も音楽をやったこと無いと言う(カラオケが好きで、人より歌がうまい程度の)人もいましたが、全くスタート地点は同じ状況でした。DTMに関しては今ではその人の方が上です。