短音階(Minor Scale)について、ここまでで3種類の内2つを学びました。
残りの1つが今回の旋律的短音階(Melodic Minor Scale)になります。
ここまでの長音階(Major Scale)、短音階(Minor Scale)3種を抑えることで、『学習カテゴリ-初歩』は終了になります。
また、この初歩のスケールを完璧にマスターすると、次の段階に進んだ際、とても楽をすることが出来るので絶対にモノにして下さい。ここまでをすっ飛ばしてしまうと次の段階を理解することが出来ないといった事態になると思います。
旋律的短音階(Melodic Minor Scale : メロディックマイナースケール)
旋律的短音階(Melodic Minor Scale) (メロディックマイナースケール)
Melodic Minor Scale (メロディックマイナースケール)とは上の画像の様に
上行時『全音・半音・全音・全音・全音・全音・半音』
下行時『全音・全音・半音・全音・全音・半音・全音』
の関係で構成される音階のことを言います。
Harmonic Minor Scale(ハーモニックマイナースケール)の第6音が半音上がった構成の音階となります。
Natural Minor Scale (ナチュラルマイナースケール)の第6音と第7音が半音上がった構成の音階とも捕らえることができますね。
Harmonic Minor Scale(ハーモニックマイナースケール)はNatural Minor Scale (ナチュラルマイナースケール)の第7音を半音上げることによって、ルート音に解決するときの音の流れをなめらかにする狙いから生まれたスケールでした。
Melodic Minor Scale (メロディックマイナースケール)はさらにHarmonic Minor Scale(ハーモニックマイナースケール)の第6音を半音上げることによって、さらに第6音と第7音の音の流れもなめらかにしよう言う狙いから生まれたスケールです。
実際に演奏してみるとやや文明的なニュアンスがありHarmonic Minor Scale(ハーモニックマイナースケール)とはまた違った印象を与えることができます。
注意点
さて、このMelodic Minor Scale (メロディックマイナースケール)の注意するべき点は下行時にあります。
下行時はNatural Minor Scale (ナチュラルマイナースケール)と同じ音階になると言うことです。
なぜそうなるのか?
そもそもHarmonic Minor Scale(ハーモニックマイナースケール)はルート音になめらかに解決するために第7音を半音上げたものの、第6音と第7音の音程が”増2度”と開きすぎ、別の箇所で、言ってみれば”不備”が生まれてしまったスケールであると言うことが出来ます。
Melodic Minor Scale (メロディックマイナースケール)は、
このHarmonic Minor Scale(ハーモニックマイナースケール)の”不備”を補ったものである為、下行時にそのまま演奏するとやや奇妙な旋律になってしまうという”新たな不備”が生まれてしまっているからです。
なので下行時は必ずNatural Minor Scale (ナチュラルマイナースケール)と同じ音階にし、その”新たな不備(やや奇妙な響き)”を消し去ってしまおうという事です。
(※ジャズなどでは下行時もそのまま演奏するという理論も存在します。)