Minor の Diatonic Chord
前回の『学習カテゴリ-Chord_01 : Diatonic Chord（Major）』で、
ダイアトニックコードの作り方を学びました。
もう一度確認すると、Diatonic Chord とは
ダイアトニックスケール上に、そのスケールの音のみを使用して作られた3度構成による和音のことです。
前に全部で7種類あると説明したダイアトニックスケールですが、マイナースケールにはナチュラルマイナースケールの他に、ハーモニックマイナースケールとメロディックマイナースケールの2種類がありましたよね？
マイナースケール＝ダイアトニックスケール ですが、このマイナースケールという表現の中にハーモニックマイナースケールとメロディックマイナースケールの2種類も含まれるため、正しくは7種（+2種）ということになります。
つまり、マイナースケールと一口に言ってもその中には3種類のスケールが存在するので、それぞれに対応したダイアトニックコードあるということです。
また、ハーモニックマイナースケールに関してはDiatonic Scale の
ルートから1オクターブまでの音階が、全音5つ、半音2つの構成によって成り立っているスケールという概念に当てはまりませんが（増2度を含むため）、マイナースケールの一種であり、その派生形であるためDiatonic Scale と考えることが出来ます。
それでは、Minor の Diatonic Chord を書いてみましょう。
ここまで学んだ方はもうマイナースケールなんて当たり前の様に書けると思いますが、
もう一度 C Minor Scale 3種類を調子記号を使って書いてみましょう。
（※このスケールにコードを書き足していってもらいます。）
C Natural Minor Scale
C Harmonic Minor Scale
C Melodic Minor Scale（※ここでは上行形のみで構いません）
書けたら、C Minor Scale 3種にとりあえずは何も考えずに、3度構成で4和音（4 Notes Chord）を書き足してみましょう。（基音から3度ずつ上に重ねていくだけ）
次の様になります。
C Natural Minor
C Harmonic Minor
C Melodic Minor
書けたでしょうか？
調号を使用して書いているので、Natural Minor Scale に関しては臨時記号を用いることはありません。
しかし、Harmonic Minor Scale に関しては第6音が半音上がり、Melodic Minor Scale に関しては第6音と第7音が半音上がるため臨時記号を用いることになります。
調号はオクターブ違っても効果がある為、忘れずに臨時記号をつけましょう。
では次に、今書いたコードに対してコードネームを付けてみましょう。
もう皆さんなら出来るはずです。下の画像を見る前に自分でチャレンジしてみて下さい。
C Natural Minor
C Harmonic Minor
C Melodic Minor
Natural Minorから順番に
C-7 ・ D-7(♭5) ・ E♭△7 ・ F-7 ・ G-7 ・ A♭△7 ・ B♭7
C-M7 ・ D-7(♭5) ・ E♭△7(#5) ・ F-7 ・ G7 ・ A♭△7 ・ B。7
C-M7 ・ D-7 ・ E♭△7(#5) ・ F7 ・ G7 ・ A-7(♭5) ・ B-7(♭5)
となります。
C Minor Scale というダイアトニックスケール上に、それぞれの C Minor Scale の音のみを使って和音を構成することができました。これが Minor の Diatonic Chord となります。
Minor Scale は3種類あるので、疲れましたか？
もう一息です！がんばりましょう！
あとはそれぞれに前回学んだディグリーネームというものを書き足して完成です。
Natural Minorから順番に
Ⅰ-7 ・Ⅱ -7(♭5) ・ ♭Ⅲ△7 ・ Ⅳ-7 ・ Ⅴ-7 ・ ♭Ⅵ△7 ・ ♭Ⅶ7
Ⅰ-M7 ・ Ⅱ-7(♭5) ・ ♭Ⅲ△7(#5) ・ Ⅳ-7 ・ Ⅴ7 ・ ♭Ⅵ△7 ・ Ⅶ。7
Ⅰ-M7 ・ Ⅱ-7 ・ ♭Ⅲ△7(#5) ・ Ⅳ7 ・ Ⅴ7 ・ Ⅵ-7(♭5) ・ Ⅶ-7(♭5)
となります。
この様にディグリーネームに変化記号がつく場合は、そのローマ数字の前に書くことになります。
読み方は例えば
『♭Ⅲ△7 （フラット3度メジャーセブン）』や『♭Ⅲ△7(#5) （フラット3度メジャーセブンシャープファイブ）』や『♭Ⅵ△7（フラット6度メジャーセブン）』の様になります。